2014.05.20 Tuesday 07:40
【旅日記】イスラエル人はガサツでぶっきらぼうなだけじゃないんだから《イスラエル編》
おや!もう帰国して2ヶ月も経つとは驚き。そしていまだにイスラエルの話が終わってないなんてね!相変わらずちびろっくの体内時計は東南アジアな動きをしてます。
ずっぽりイスラエルにハマって、ユダヤやらパレスチナと名のつく本やニュースサイトを片っ端から読み漁っちゃってる毎日。しかしいい加減、イスラエルの話もこれで最後にいたしましょう。
バウハウスも死海もよかったけど、今回のイスラエル滞在で一番感銘をうけたのが、イスラエル人。たけーたけーと言いつつも、イスラエルを存分に楽しめたのは、なによりもこの人たちのおかげでありました。
彼らイスラエル人の生態を、実際に現地で交流したちびろっくなりの視点で皆様にお伝えいたします。
ひとくちにイスラエル人といっても、イスラエルには
ユダヤ教徒ユダヤ人(東欧系、中東系、超正統派、正統派、改革派、世俗派…)、非ユダヤ教徒ユダヤ人、クリスチャンアラブ人、ムスリムアラブ人、ドゥールーズアラブ人、ベドウィン族、その他
なんのこっちゃ。
もうこっからして愉快ですね。

これみんなユダヤ人
今回ちびろっくのネタになるのは大まかにくくって「イスラエル国に住むユダヤ人」といたします。東南アジアどこ行っても必ず見かけるあのやかましい団体でお馴染みね。
ユダヤ人とはまあ昔から何かと色々言われる人たちで、
オツムが良い
自己主張すごい
値切り方エグい
まあそれはまだいいとして、
あの最高にめんどくさいインド人に「イスラエル人めんどくさい」と愚痴られ、しまいには「50人のアメリカ人社員を管理するより5人のイスラエル人を管理する方が大変」なんて言われよう。
そんなアグレッシブな人たちおもしろすぎる。
さて当のイスラエル人は、そんな評判をもふまえつつ、イスラエルを「バラガン」だと、いささか自嘲気味に表現します。ラジオの人ではありません。それはバラカン。
「バラガン」とは、「混沌、ぐちゃぐちゃ」という意味。毎日なにかっちゃバラガン、バラガン。バスターミナルも、郵便局も、マーケットも、どこもかしこもバラガン、バラガン。そもそもイスラエルに住む人間自体、バラガン、バラガン。
大昔からユダヤ人が、穏やかでない状況に晒されてきたのは、先日お話したとおり。現在も近隣諸国との喧嘩の火種を常に抱えていて、いつどこから何をぶっこまれるかわからない。政府は右傾化するばかり、とくれば、自分の身は自分で守るしかないわけです。
そんな国に生まれた子供たちには、自然にそんな意識が芽生えるようで、早くから自我を確立します。我々が赤白帽や制服で統一管理され、「↑↑↓↓←→←→BA」とか階段で永遠に亀の甲羅を踏み続けるとか、大人になってなにひとつ役に立たないことにに情熱をそそぐ間、彼らは各々の個性を伸ばしながら「ディベートごっこ」で交渉の術を磨いているのです。
人間、「生きる」という本能に従うと、こんなにも現実的になれるもんなんだね!
確かに、今まで話したイスラエル人みんなほんっっっとに多ジャンルにわたって色々なことを良く知っていた。誰かの受け売りではなく、いつも自分自身の言葉で話をする。こちらの話に疑問を持てばどんどん質問してくる。英会話力アップをはかるのであれば、イスラエル人の友人を作りましょう。
手っ取り早く生ディベートを見たければ、バスに乗りましょう。しばしば乗客が運転手に声高に何かを主張しています。よくもまあイチ交通機関のネタで、そんなにしゃべり続けることがあるなと感心するほどに、延々20分も主張します。運転手も運転手なりに主張することがあるので、声高に対応します。そしてそれはバスターミナルの切符売場でも同じで、しばしば声高に押し問答が繰り広げられています。

※押し問答開始から15分経過中
友人のリオが、ちびろっくが乗るバスを探してくれたときのこと。
カオスバスターミナルを歩き回って、ようやく目的のバスを発見。運転手に聞くと発車まで時間があるというので雑談をしていたら、突然バスが動き、数十メートル先で停止。なんだ、発車地点に移動しただけか、と安心するおめでたい日本人ちびろっく。乗るのをわかってて何の合図もなく発車したことに激昂するイスラエル人リオ(普段超温厚)。
運転手VSリオ、フルボリュームでの舌戦が続くこと5分。よくもまあ、こんな簡単な行き違いで会話のキャッチボールが続くもんだとまた感心。
「ちゃんとカルメンマーケットで彼女を降ろしてくれよ」(想像訳)とリオは最後に運転手に伝えてくれたが、もちろん運転手は何も知らせてくれなかった。そんな気がしていたので、自分でマップを確認し、適切な地点で降車。自分の世話は自分でね!そして降り際にも、運転手は別の乗客と激しい口論をおっぴろげていた。
そもそものシステムを改善したらいいんじゃないか、と、思うが、バラガンですから。改善の道も前途多難でありましょう。

己のビールしか見えていません。自分のことは自分でね!
そして18歳になれば男も女も問答無用で数年間徴兵され、ガチの戦闘を学びます。企業と同じく軍隊でも、若いエリート将校をガンガン育てる完全実力主義。歳ばっかくって偉そうにする役立たずがのさばるスペースはありません。無駄がないね!

普通の高校生ノリで自動小銃下げてます。
さらに言わせてもらうと、勤勉であれというユダヤの教えにより、基本的に勉強好きで好奇心旺盛。教師だろうが師匠だろうが、疑問があれば臆すること無くツッコむ生徒ばかり。生徒に本読ませといて、鼻くそほじくりながらケータイいじるような教師がのさばるスペースはありません。
そんなこんなの現実主義、実力主義の社会。これが四国ほどの面積しかないこの国から、医療・テクノロジー・音楽・アート、俳優、スポーツ(昨日バスケのヨーロッパトーナメントで優勝したばっか)、さまざまな分野のすごい人が輩出されるゆえんでありましょう。
超人みたいのがうようよしているイスラエルですが、しかし恐れることはありません。
基本、陽気。一度しゃべればもうみんな友達。

たのしく踊るイスラエル人 @ インド

たのしく踊り終わったイスラエル人 @ インド
社交辞令、愛想笑い、上っ面だけの優しさは彼らの辞書には無いので、たしかに一見無愛想。しかし助けを求めている人を見捨てることはありません。我々の想像をはるかに超える、手厚い対応を受けることもしばしば。
仕事あるのに1週間も家に泊めてくれて、ビール飲まないのにバーにつきあってくれて、死海に行くためにわざわざ仲悪い両親に車借りてくれて、普段料理なんかしないのに最終日にはバスの中で食べろとお弁当まで作ってくれたヨナタン、

ヨナタンがなぜかいたく気に入っていた1枚
何回来ても行き切れない数のおススメスポットをご教示してくれて、何を聞いても的確なアドバイスを返してくれたリオ、

真剣な面持ちでヘルメットを選ぶリオ。

5分後のリオ。
日本から来たと言うと喜んで良さげなウイスキーをふるまってくれた路地裏のバーのおばちゃん、

客は我々のみ
ひとりだからとあれこれ気にかけてくれたハイファの寺院の警備員のおにいちゃん、
その他大勢、だいたい仏頂面だけど親切にしてくれたみなさん、ありがとう。
パレスチナ人を迫害してるとか、悪い印象がつきがちなイスラエルだけど、市民はみんな、我々と同じく普通に生きる普通の人。アラブ人と仲良くしている人だってたくさんいるし、誰も戦争なんか望んでいない。身を守るのに精一杯なのは、パレスチナ人や他のゴタゴタを抱えてる国と同じなのです。
誰かが言ってた。
ユダヤ人は度重なる迫害や災難にもじっと耐え続けていたが、ホロコーストが起きたときに、「やっぱ戦って身を守らないとだめじゃね?」と、方向転換したそうな。これを聞いてやりきれない気持ちになった。
絶望が自爆テロを引き起こし→自爆テロから市民を守るために壁がつくられる→時々和平交渉がすすんでみる→具体的な改善策がない→市民の生活は良くならず→絶望→最初に戻る
世界平和なんて到底無理だとはわかってるけどさ。
それでも、死人は少ないにこしたことはない。
ご存知のとおり、空気を読むとか、世の中の「普通」とかなんとか和風なことに迎合できないちびろっく、真っ向正直であたたかい、イスラエル人の生き方にスッカリ魅了されてしまったのでした。
そんなイスラエル人と、バウハウス建築に囲まれて過ごす案も一瞬頭をよぎったが、ちびろっく、バラガン環境で生き延びられるほどのスペックを持ち合わせてはいない。
イスラエルは特別な場所としてとっておき、酔っ払いだらけの生温いニッポンで引き続き、図々しく生きさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

ずっぽりイスラエルにハマって、ユダヤやらパレスチナと名のつく本やニュースサイトを片っ端から読み漁っちゃってる毎日。しかしいい加減、イスラエルの話もこれで最後にいたしましょう。
バウハウスも死海もよかったけど、今回のイスラエル滞在で一番感銘をうけたのが、イスラエル人。たけーたけーと言いつつも、イスラエルを存分に楽しめたのは、なによりもこの人たちのおかげでありました。
彼らイスラエル人の生態を、実際に現地で交流したちびろっくなりの視点で皆様にお伝えいたします。
ひとくちにイスラエル人といっても、イスラエルには
ユダヤ教徒ユダヤ人(東欧系、中東系、超正統派、正統派、改革派、世俗派…)、非ユダヤ教徒ユダヤ人、クリスチャンアラブ人、ムスリムアラブ人、ドゥールーズアラブ人、ベドウィン族、その他
なんのこっちゃ。
もうこっからして愉快ですね。

これみんなユダヤ人
今回ちびろっくのネタになるのは大まかにくくって「イスラエル国に住むユダヤ人」といたします。東南アジアどこ行っても必ず見かけるあの
ユダヤ人とはまあ昔から何かと色々言われる人たちで、
オツムが良い
自己主張すごい
値切り方エグい
まあそれはまだいいとして、
あの最高にめんどくさいインド人に「イスラエル人めんどくさい」と愚痴られ、しまいには「50人のアメリカ人社員を管理するより5人のイスラエル人を管理する方が大変」なんて言われよう。
そんなアグレッシブな人たちおもしろすぎる。
さて当のイスラエル人は、そんな評判をもふまえつつ、イスラエルを「バラガン」だと、いささか自嘲気味に表現します。ラジオの人ではありません。それはバラカン。
「バラガン」とは、「混沌、ぐちゃぐちゃ」という意味。毎日なにかっちゃバラガン、バラガン。バスターミナルも、郵便局も、マーケットも、どこもかしこもバラガン、バラガン。そもそもイスラエルに住む人間自体、バラガン、バラガン。
大昔からユダヤ人が、穏やかでない状況に晒されてきたのは、先日お話したとおり。現在も近隣諸国との喧嘩の火種を常に抱えていて、いつどこから何をぶっこまれるかわからない。政府は右傾化するばかり、とくれば、自分の身は自分で守るしかないわけです。
そんな国に生まれた子供たちには、自然にそんな意識が芽生えるようで、早くから自我を確立します。我々が赤白帽や制服で統一管理され、「↑↑↓↓←→←→BA」とか階段で永遠に亀の甲羅を踏み続けるとか、大人になってなにひとつ役に立たないことにに情熱をそそぐ間、彼らは各々の個性を伸ばしながら「ディベートごっこ」で交渉の術を磨いているのです。
人間、「生きる」という本能に従うと、こんなにも現実的になれるもんなんだね!
確かに、今まで話したイスラエル人みんなほんっっっとに多ジャンルにわたって色々なことを良く知っていた。誰かの受け売りではなく、いつも自分自身の言葉で話をする。こちらの話に疑問を持てばどんどん質問してくる。英会話力アップをはかるのであれば、イスラエル人の友人を作りましょう。
手っ取り早く生ディベートを見たければ、バスに乗りましょう。しばしば乗客が運転手に声高に何かを主張しています。よくもまあイチ交通機関のネタで、そんなにしゃべり続けることがあるなと感心するほどに、延々20分も主張します。運転手も運転手なりに主張することがあるので、声高に対応します。そしてそれはバスターミナルの切符売場でも同じで、しばしば声高に押し問答が繰り広げられています。

※押し問答開始から15分経過中
友人のリオが、ちびろっくが乗るバスを探してくれたときのこと。
カオスバスターミナルを歩き回って、ようやく目的のバスを発見。運転手に聞くと発車まで時間があるというので雑談をしていたら、突然バスが動き、数十メートル先で停止。なんだ、発車地点に移動しただけか、と安心するおめでたい日本人ちびろっく。乗るのをわかってて何の合図もなく発車したことに激昂するイスラエル人リオ(普段超温厚)。
運転手VSリオ、フルボリュームでの舌戦が続くこと5分。よくもまあ、こんな簡単な行き違いで会話のキャッチボールが続くもんだとまた感心。
「ちゃんとカルメンマーケットで彼女を降ろしてくれよ」(想像訳)とリオは最後に運転手に伝えてくれたが、もちろん運転手は何も知らせてくれなかった。そんな気がしていたので、自分でマップを確認し、適切な地点で降車。自分の世話は自分でね!そして降り際にも、運転手は別の乗客と激しい口論をおっぴろげていた。
そもそものシステムを改善したらいいんじゃないか、と、思うが、バラガンですから。改善の道も前途多難でありましょう。

己のビールしか見えていません。自分のことは自分でね!
そして18歳になれば男も女も問答無用で数年間徴兵され、ガチの戦闘を学びます。企業と同じく軍隊でも、若いエリート将校をガンガン育てる完全実力主義。歳ばっかくって偉そうにする役立たずがのさばるスペースはありません。無駄がないね!

普通の高校生ノリで自動小銃下げてます。
さらに言わせてもらうと、勤勉であれというユダヤの教えにより、基本的に勉強好きで好奇心旺盛。教師だろうが師匠だろうが、疑問があれば臆すること無くツッコむ生徒ばかり。生徒に本読ませといて、鼻くそほじくりながらケータイいじるような教師がのさばるスペースはありません。
そんなこんなの現実主義、実力主義の社会。これが四国ほどの面積しかないこの国から、医療・テクノロジー・音楽・アート、俳優、スポーツ(昨日バスケのヨーロッパトーナメントで優勝したばっか)、さまざまな分野のすごい人が輩出されるゆえんでありましょう。
超人みたいのがうようよしているイスラエルですが、しかし恐れることはありません。
基本、陽気。一度しゃべればもうみんな友達。

たのしく踊るイスラエル人 @ インド

たのしく踊り終わったイスラエル人 @ インド
社交辞令、愛想笑い、上っ面だけの優しさは彼らの辞書には無いので、たしかに一見無愛想。しかし助けを求めている人を見捨てることはありません。我々の想像をはるかに超える、手厚い対応を受けることもしばしば。
仕事あるのに1週間も家に泊めてくれて、ビール飲まないのにバーにつきあってくれて、死海に行くためにわざわざ仲悪い両親に車借りてくれて、普段料理なんかしないのに最終日にはバスの中で食べろとお弁当まで作ってくれたヨナタン、

ヨナタンがなぜかいたく気に入っていた1枚
何回来ても行き切れない数のおススメスポットをご教示してくれて、何を聞いても的確なアドバイスを返してくれたリオ、

真剣な面持ちでヘルメットを選ぶリオ。

5分後のリオ。
日本から来たと言うと喜んで良さげなウイスキーをふるまってくれた路地裏のバーのおばちゃん、

客は我々のみ
ひとりだからとあれこれ気にかけてくれたハイファの寺院の警備員のおにいちゃん、
その他大勢、だいたい仏頂面だけど親切にしてくれたみなさん、ありがとう。
パレスチナ人を迫害してるとか、悪い印象がつきがちなイスラエルだけど、市民はみんな、我々と同じく普通に生きる普通の人。アラブ人と仲良くしている人だってたくさんいるし、誰も戦争なんか望んでいない。身を守るのに精一杯なのは、パレスチナ人や他のゴタゴタを抱えてる国と同じなのです。
誰かが言ってた。
ユダヤ人は度重なる迫害や災難にもじっと耐え続けていたが、ホロコーストが起きたときに、「やっぱ戦って身を守らないとだめじゃね?」と、方向転換したそうな。これを聞いてやりきれない気持ちになった。
絶望が自爆テロを引き起こし→自爆テロから市民を守るために壁がつくられる→時々和平交渉がすすんでみる→具体的な改善策がない→市民の生活は良くならず→絶望→最初に戻る
世界平和なんて到底無理だとはわかってるけどさ。
それでも、死人は少ないにこしたことはない。
ご存知のとおり、空気を読むとか、世の中の「普通」とかなんとか和風なことに迎合できないちびろっく、真っ向正直であたたかい、イスラエル人の生き方にスッカリ魅了されてしまったのでした。
そんなイスラエル人と、バウハウス建築に囲まれて過ごす案も一瞬頭をよぎったが、ちびろっく、バラガン環境で生き延びられるほどのスペックを持ち合わせてはいない。
イスラエルは特別な場所としてとっておき、酔っ払いだらけの生温いニッポンで引き続き、図々しく生きさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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